きょうの発言 第9回 岐路に立つ伝統的工芸品

観光旅行での楽しみといえば温泉と食事、その土地の手工芸品と相場が決まっています。しかし、手作りの工芸品は今、大きな岐路に立たされています。


 伝統的工芸品には「日常生活に使われ、主な製造工程が手仕事で行われること」「伝統的な原材料と技法を用いてその地域で作られること」などの決まりがあります。ですからその品々には日本古来の風土の香りがあり、職人の手のぬくもりが感じられるのです。

 現在、国の伝統的工芸品は全国で219品目、熊本県では肥後象がん、小代焼、天草陶磁器、山鹿灯とう籠ろうが指定されています。伝統的工芸品の大半は、家族単位の零細作業で維持されてきました。しかし、生活様式の変化や大量生産による「より安く、軽くて丈夫な使い捨て商品」の時代を迎えて販売が低迷。バブル崩壊と消費税導入が追い打ちを掛け、職人の後継者不足と高齢化はいよいよ深刻になっています。40年ほど前に全国で30万人いた国指定伝統的工芸品の職人は、現在7万人を割り込んでしまいました。

 熊本市南区川尻でも、明治8(1875)年の調査では桶類をはじめ柄杓ひしゃく、障子、箪笥たんす、長持ながもち、傘、下駄、筆、鍬くわ、鎌かま、包丁、畳、蝋燭ろうそく、木綿もめん絣がすり、提灯ちょうちん、火鉢ひばちなどが作られていました。しかし、そのほとんどが既に姿を消しました。


 工芸品は作り手と使い手があって成り立ちます。使って始めて工芸品の素晴らしさが味わえるのです。世界に誇る日本の伝的工芸品がこれ以上減らないよう願うばかりです。

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