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きょうの発言 第10回 伝統的工芸品の振興施設

「もしもし、こちらは川尻町の工芸会館ですが。お間違いないでしょうか」。事務所で1日数回は耳にする電話のやりとりです。熊本市内には2つの工芸館があります。中央区千葉城町の県伝統工芸館と「職人の町」南区川尻にあるくまもと工芸会館です。県伝統工芸館は昭和57(1982)年、くまもと工芸会館は平成3(1991)年に開館した伝統的工芸品振興のための施設で、一つの県に2つもあるのは珍しいといいます。

衰退を続ける伝統工芸品の振興を目的に、国は昭和49(1974)年に「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」(伝産法)を制定します。これを受けて全国の自治体は伝統的工芸品の保護と後継者育成の拠点となる施設づくりに取り組みますが、振興施設は織物や窯業など単品目を対象としたものが多く、金工、木工、和紙、竹工、陶芸などを総合的に取り扱っているのは九州では熊本だけです。くまもと工芸会館は来年7月、開館25周年を迎えます。「職人による工芸品づくりの実演が見られ、各種工芸教室があり、体験が毎日できる」という全国でも珍しい施設で、修学旅行の小中学生や観光客が見学や体験を楽しんでいます。この数年はインターネットの普及で、東アジアをはじめ海外から「日本らしさ」を求めてやって来る団体客が目立つようになりました。会館を拠点に活躍する工芸職人は現在71人。熊本市の工芸の将来が、市と会館職員の双肩にかかっています。

  • 2016.01.24 Sunday
  • 10:32
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